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久世

Author:久世
元HNは「微雨」「雨月」でした。
「久世」に改名しましたが、どれも私には違いないのでお好きなHNで呼んでください。

・上の絵はまろさんに描いてもらいました!

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妄想

Category : サブ創作小説
それは夏の暑い日のこと。
僕は彼女と一緒に街を歩いていた。
付き合い始めたばかりでキスどころか手も繋いだ事がない。
高校生で流石にこれじゃあまずいかなと思うのだけれど、どうしても臆病になってしまうのだから仕方がない。
でも、だけど、今日こそは。
そう覚悟を決めて隣へ声を掛ける。
僕よりも身長が低い彼女は見上げる形でこてんと首を傾げている。
言葉を続けようとするのだけれど、中々声に出すことができない。
それでも彼女は、僕が告白をしたときのように次の言葉を待っていてくれる。
大きく息を吸って、深呼吸。

「あの…。よ、良ければだけど。手…、繋ぎたいな…って」



目が覚めた。
ああ、懐かしいなぁ。
彼女との初めてのデートの夢。
夢は起きると忘れてしまうことが多いのだけれど、僕は鮮明に覚えている。
それだけ印象深かったのだろう。

今日は休日で、部活も休み。
特に提出しなければならない課題もないし、友達と遊ぶ予定もない。
あらゆる休日の過ごし方を考えているうちに、ふとある案が思い付いた。
ああ、そうだ。
彼女に会いに行こう。

彼女は街外れにいる。
だから、街の住宅街に住んでいる僕の家からは遠い。
自転車をこぎながら街の商店街をすり抜けていく。
ここを彼女と手を繋いで歩いたんだよなぁ、と夢の事を思い出す。
あのときはすごい緊張してしまって、周りが見えないくらいだった。
花屋を通りすぎたところで僕は自転車から降りて、手で押しながら花屋に戻る。
せっかく会いに行くんだから、花でも贈るのはどうだろう。
単純にそう思って、僕は花束を買うことにした。

前を見ると大きい十字路の交差点。
信号が点滅してたので早く渡ってしまおうと思ったのだけど、横断歩道に付く手前で赤に変わってしまった。
キキーッと慌ててかけたブレーキの音。
目の前を大きなトラックが通過した。
危なかった。
そのままトラックに気付かなければ今頃僕は…。
ぶんぶんと頭を振って恐怖心をごまかす。
そして、ちゃんと信号を確認したあと、僕は横断歩道を渡った。

僕がトラックに轢かれそうになったのはこれで二回になった。
二回目は、もちろんさっきの出来事。
一回目は、初デートのとき。

自転車を止めて、雑草を踏み分けながら足を進める。
僕の手には菊の花束。
雑木林を過ぎれば、地面は整備されていて道が開けている。
目の前には、墓地が並んでいた。

それは夏の暑い日のこと。
僕の全神経が手のひらに集中してしまうほどにどきどきしていた。
周りの形や色が認識出来ないくらいに。
大袈裟かもしれないけれど、僕にとってはそれくらい緊張していたんだ。
目の前には大きい十字路の交差点。
ちらりと彼女の横顔を見たあと、視線を下に移す。
なんだかとても嬉しいのと同時に恥ずかしさを意識してしまって。
真っ赤になった顔を見せたくなくて。
彼女が僕の視線に気づいて、こちらを向こうとしたのと同時に、僕は横断歩道へ駆け出した。

彼女が叫ぶ。

僕が後ろを振り返る。

彼女に背中を押される。

僕はその衝撃で倒れる。

ブレーキの音が鳴り響く。

それから、

………。

…それから、形容し難い生々しい衝突音。

ゆっくりと、震える体を押さえて立ち上がる。
前の信号は真っ赤に染まっている。
後ろを見れば、それ以上の赤で道路が塗り潰されていた。

彼女の墓の前で手を合わせる。
僕の不甲斐なさに悔やんでも悔やみきれない。
それから菊の花を添えて、立ち上がる。
故意ではないとしても、彼女の命を奪った原因は僕だろう。
こんな罪を犯した僕がここへ訪れていい訳がないのだけれど。
それでも僕は。

「愛してる」

この言葉が届けばいいと願ってしまうのだ。









後書き

「亡き女性を想う」で「妄想」
どっかでこんな言葉を聞いて
前々から書きたかったネタでした

しかし…
文章の表現力がいまひとつですね
後半まで彼女が亡くなっていることがバレないようにする
過去(夢)と今の内容がはっきりわかるようにする
この二つを意識して書いたのですが
なかなか上手くできません
うーん、もっと頑張らなければ
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