FC2カウンター

プロフィール

久世

Author:久世
元HNは「微雨」「雨月」でした。
「久世」に改名しましたが、どれも私には違いないのでお好きなHNで呼んでください。

・上の絵はまろさんに描いてもらいました!

セブンスドラゴン

 

リンク

ブロとも一覧


ミリィのにっき

ARS seeds ~お絵かき日記~

あさぎしょこら。

じゃむさんっぽいどホームページ

オムライスのある風景

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Powered By 画RSS

スポンサーサイト

Category : スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

図書館にて

Category : メイン創作小説
空雨視点で図書館に行くお話
説は図書館の司書、彩は図書館の館長です














私の街にある図書館は馬鹿でかい。
どんくらいでかいかと言うと、体育館を九つ並べて、縦に五つ積み立てたぐらいの広さ。
この図書館に無い本が無いってくらいでかい。
とにかくでかいってことが伝わればオッケー。
で、この図書館では、私の幼馴染みが働いている。

継に調べ事を頼まれているため、その資料を探して机に広げる。
どれから手をつけようかなと迷っていると、視界の端に見慣れた人物が映った。
私の幼馴染み。名前は説。あだ名はせっちゃん。
本を探しているであろう女性に声を掛けられ、笑顔で対応している。
女性からだと「とても優しくて賢そうで素敵な人!」って思ってるんだろうね。
でも、せっちゃんをよく知っている私からだと「うさんくせぇ」、もしくは「めちゃくちゃ猫被ってる」って思う。
…そんな事は置いといて。
こっちも仕事として調べ事してるんだ。
さっさと終わらせちゃおう。

「有難う御座いました。又の御利用を御待ちしております」
丁寧な言葉で利用客を送る言葉を聞きながら資料を漁る。
「うーん、これじゃないなぁ。こっちも微妙だ…」
目次を見たり、ペラペラとめくったりして目的の内容を探してみるけど、なかなか見付からない。
誰かの足音が近づいて来る音は、あまりにも資料に集中し過ぎて気付かなかった。
机の上の資料が影に覆われる。
「空雨…、何でいるんだよ」
ドスの効いた低い声。
顔を上げて顔を見れば、眉間にシワが寄っている。
あー、これは…。
「そりゃ用事があるからでしょー、せっちゃん」
いつもの調子で話し掛けるも、舌打ちで返される。
これはまずい。
今のせっちゃんはものすごく機嫌が悪いみたいだ。

「えっとね、継に喫茶店のインテリアについて案を考えてくれって言われたから、どんなのがあるか資料を見てるんだー」
「…そうですか」
私が茶化しにここに来たわけじゃ無いことを知り、元の敬語に戻る。
せっちゃんは仕事とプライベートを分けるタイプだから、私がいるとものすごーく邪魔なことはわかる。
だから、そこは理解して図書館の利用は極力避けていたんだけど…。
まぁ、今回はしゃーないね。
ビジネスだよビジネス。
「どんな風にするか等のイメージはありますか?」
おお、協力してくれるのか。
「んー…。まだ決まってないんだよねぇ」
私がそう言うと、せっちゃんは机の上から一冊の資料を手に取った。
「では…、此方の本は如何しょうか? 幅広い種類のインテリアが載せられている資料集です」
ペラペラとページをめくりながら説明する。
ページごとに大きな写真が載ってるし、これなら探しやすいかも。
「わぁ、ありがとせっちゃん!」
「どういたしまして」
にっこりと微笑むせっちゃんはすっかり仕事モード。
その笑顔に違和感を感じたけど、ちゃんと働いてるんだなぁと妙に感心した。

もうすぐ夏だから涼しいインテリアがいいよね。
水色とか白を基調にした感じで、全面爽やかアピールみたいな。
うんうん、だいぶ案が固まってきた。
私は資料を見ながらルーズリーフにペンを走らせる。
これだけメモったら本を借りて仕事終了。
さて、机の上に散らばっているいらない資料を戻さないとなー。
薄い雑誌から分厚い専門的な本まで、たくさんの本を積み上げて持ち運ぶ。
うわ、重い。
確かこれは二階から持ってきた気がする。
一階から二階へ行こうとエレベーターの前に行くも、両手が塞がっていてボタンが押せない。
仕方がないので、階段で上ることにした。

目の前の本棚にはぎっしりと詰められた本。更に本。とにかく本。
「本」という文字がゲシュタルト崩壊してしまいそうなくらいの量。
本がが苦手な人なら息苦しいだろうけど、逆に好きな人ならすげーテンション上がるんだろうなぁ。
なんて事を思いつつ本を戻していく。
「お手伝い致しましょうか?」
後ろから声を掛けられ振り向けば、うやうやしい態度のせっちゃんがいた。
「…せっちゃん」
「はい。何でしょう」
他人行儀にニコリと微笑む。
その姿にいてもたってもいられなくて、私は本音を吐き出した。
「やめてよそのめっちゃ敬語っぽい敬語。気持ち悪いんだけど」
「…そうですね。僕も空雨相手に嫌々話してますし」
少し敬語が崩れて生意気になり、ぱっと雰囲気がいつものせっちゃんに戻る。
やっぱこっちの方がしっくりくるね。

「って事で本戻すの手伝ってー」
「はいはい」
抱えている本を半分くらい取って、せっちゃんは本を元の場所に戻す。
手馴れているのかぱっぱと素早く本棚に戻している。
プロだ…。プロがここにおる…!
「そういえばさー」
のろのろと本を隙間に埋めながらも話しかける。
「何ですか」
せっちゃんがこっちに顔を向けないまま答えた。
「タメ口はもうおしまい?」
「………」
「せっちゃんってタメ口なの珍しいじゃん。酔ってるときぐらいしか聞けな…痛ぇ!!」
ドスッと足に何かがぶつかり、言葉が遮られる。
足の甲をさすりながら下を見ると、分厚い本が落ちていた。
「ああ、すいません。本を落としてしまいました」
「嘘付け! 距離あるし明らかに投げたでしょ!?」
謝る気が全く感じられないような涼しい顔に思わず叫ぶ。
なにこいつ手に薄い雑誌とかたくさん持ってる癖にあえて分厚い本を投げてきたよ!?
あっ、これはまずい。目が殺気に満ちてる。
「…あの」
これは謝った方がいいよね…。
「酔ってるせっちゃんってめちゃくちゃ可愛いよね!」
でも危険な事に突っ込みたくなるのが、人間の性なのよねー。

「いつもはツンツンしてるのに、素直でデレデレしちゃうとかかっわいー」
「煩いです。酔ったときの貴方みたいなしつこさで絡んできますね」
「んですげー酒飲むとそん時の記憶もなくなっちゃうんでしょ? きゃあ、マジ無防備!」
「僕は空雨みたいに大量に飲むだけ飲んだりはしませんから」
「えー、でも量を調整できないときってあるよね。ストレス溜まってるときとか」
「一人で飲む分には困りませんし、麗也が付いていれば安全です。それより毎回貴方は爆笑しすぎです。近所迷惑になるので止めてください」
「だってあれはせっちゃんに手出そうとするとれーちゃんが脇こちょこちょしてくるんだもん。私のせーじゃないよー」
「原因は空雨じゃないですか」
「いや根本的に無防備なせっちゃんが悪い」
「空雨です」
「せっちゃんだよ」
「空雨」
「せっちゃん」

「館内では静かに、だろう?」

周りの空気が凍る感覚。
体が鉛のように重くなって、一言も声が出せない。
なんとか動く首をせっちゃんからその声の方に向ける。
あー…、どうりで聞き覚えのある声だと思ったら。
そこには、せっちゃんが「先輩」と慕い、この図書館の館長である彩さんがいた。

「謝罪の言葉は?」
「「ごめんなさい…」」
「聞こえないな」
「「ごめんなさいいい!!」」
現在の状況。
彩さんが仁王立ちしてる。
その前で私とせっちゃんが土下座してる。
以上、シンプルで超怖い現状説明終わり。
やばい彩さんめっちゃこっち見下してるよガン飛ばしてるよこわいこわいこわいこわいこわいこわい。
なんだか、彩さんには継みたいな不思議な力があるようで、逆らうことができないんだよね。
どうすんのよこれ、このまま海に沈められてもおかしくないようわあああん。
小一時間ぐらい彩さんに説教されている間、恐怖のあまりだらだらと冷や汗が止まらなかった。
「では、読みかけの本があるから書庫に戻るよ」
そう言って、くるりと背を向けたあとに威圧感が消えてほっとする。
「そうだ」
急に立ち止まってこっちを見る彩さんに、びくりと体が跳ねる。
「次は無いと思ってくれ」
ニヤリと笑うその姿に、思わず泣きそうになった。

立ち上がろうとすると足が痺れていてふらついてなかなか立てない。
「おっとと…。せっちゃん、次は無いってどういう意味?」
「そのままの意味ですよ…」
服装を整えながら溜息をついて答えた。
「なんかすごい怖い事のような気がするんだけど」
「きっと予想している以上のことでしょうね」
「まじでか」
彩さん怖い。不良に絡まれるときより怖い。
「ごめん、次からは気をつけるよー。私まだ死にたくない」
「そうですね。こちらこそすみませんでした」
せっちゃんもここは謝った方が言いと判断したらしい。
次からは…図書館が焼け野原にならないよう気をつけよう。

「今日は飲むかなぁ。れーちゃんに泣きつきたい」
カウンターでせっちゃんに本の貸し出しをして貰ってるとき、ふと思いついたことを口に出す。
「酒ですか…。お付き合いしますよ」
「おっしゃ、じゃあ今夜せっちゃん家に酒もってくよー」
「わかりました。…はい、本は一週間までに返してください」
「あいよー」
本を手に取って図書館を出た瞬間、へなへなと肩の力が抜ける。
今度返しに行くときは、絶対継に行って貰おうと思った。
スポンサーサイト

非公開コメント

  

最新記事

最新コメント

カテゴリ

月別アーカイブ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。