FC2カウンター

プロフィール

久世

Author:久世
元HNは「微雨」「雨月」でした。
「久世」に改名しましたが、どれも私には違いないのでお好きなHNで呼んでください。

・上の絵はまろさんに描いてもらいました!

セブンスドラゴン

 

リンク

ブロとも一覧


ミリィのにっき

ARS seeds ~お絵かき日記~

あさぎしょこら。

じゃむさんっぽいどホームページ

オムライスのある風景

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Powered By 画RSS

皆既月食

Category : メイン創作小説
皆既月食ネタを書こうとしたら結構時間がかかってしまった
前に一時間ぐらい外で夜空を見ていました
そんなとき思い付いたことを小説に
キャラは最近出番の多いせっちゃんとれーちゃんです
ちゃん付けだけど両方男だから興味無い方は戻った方がいいと思うな
あとれーちゃんの弟が名前決まったんで出ます
くうっちはクセが強すぎて雰囲気ブレーカーだから
ギャグ以外ではなかなか登場させられないんだ…




携帯を開く。
23時5分。
ぱちん、と時間だけを確認して閉じる。
空には赤褐色の月が浮かんでいた。

皆既月食。僕はこれといって月などに興味は無く、いつも通り暖かい室内で読書をするつもりだった。
…麗也に月を見ようと誘われるまでは。
今、麗也の家のベランダにいる。
僕や空雨は一人暮らしだが、麗也は年の離れた義理の弟の為に実家で暮らしている。
ご家族に迷惑がかかってしまうと僕の部屋で見ることを提案してみたのだが、どうやら家族の許可は得ていたらしい。
家にお邪魔した時に快く迎えてくれた。

閉じた携帯をポケットにしまう。
動かす手に、冷たい空気がまとわりつくように触れて。
息を吐くと、白い息が零れて消えた。
ひんやりとした夜風に身震いすると、隣で空を見上げていた麗也が視線を僕の方へと移す。
「ちょっと寒いね」
そして、にこりと微笑む。
その表情からは微塵も寒さを感じられなかった。
「そうですね。今すぐにでも家の中に入りたい位です」
そう言うと、麗也は少し目を丸くする。
「そ、そんなに寒いかな?」
「普通、薄着で冬の夜に寒がらない人なんていませんよ」
「ふーん…」
寒さに異常な程に耐性があるせいか、曖昧に頷くものの、あまり納得はしていなさそうだった。
麗也がまた夜空を見るために上を向く。
僕もつられて顔を上げようとした、その時。
「あ、説。ちょっと待ってて」
何か思い付いたように部屋へ入って行ったと思ったら、すぐに戻ってきた。
部屋へ入る前との変化を挙げるとするならば、両手に抱えているもの。
これを取りに行っていたのだろう。
「コート…ですか」
「うん。俺のだけど、良ければ使って」
紺色のコートを広げ、僕の肩に被せる。
ひゅう、と吹いた風は遮られ、篭る体温に暖かいなと感じた。

特にお互い何かを話そうともせず、ただただ夜空を眺めている。
いつもとは色も光も違う月をぼんやり見てみるが、やはり月は月であることに変わりは無い。
いくら珍しいと言えど、興味が無ければ価値は無いのだ。
逆に言えば、興味がある人にとってはかなりの価値になるのだろう。
そう隣で目を輝かせている麗也を見て思った。

ガラガラガラ、背後で窓が開けられる音に振り返る。
「兄さん、月食見える?」
ひょっこりと顔を覗かせる義弟は、僕の隣の兄へ呼び掛けた。
「うん。凄く綺麗だよ、優也」
返事を返す声のトーンが少しだけ高い。
隠しきれない程それが嬉しいのだろう。
「良かった…。楽しみにしていたもんね」
優也君が笑う。
その笑顔は、義兄にそっくりだった。
「ココア持ってきたよ。せ、説さんもどうぞ」
「ああ、ありがとうございます」
おずおずと差し出されたお盆にはマグカップが3つ。
それを受け取り手のひらで包むと、じんわりと熱が広がっていく。
ちらりと横を見ると、ココアを一口飲んだ麗也と目が合った。

―ココア、甘いけど大丈夫?
―ええ、このくらいであれば平気です。
―それなら良かった。
―麗也、1ついいですか?
―どうしたの?
―優也君を僕の弟に…。
―ダーメ!いくら説だからって優也は渡せないよ。
―そうですか…。それは残念ですね。

以上、僕と麗也のアイコンタクト。
こういう気の利いた弟が欲しいと思ったのだが、ばっさりと切り捨てられてしまった。
飲み干したマグカップを片付けに戻っていく優也君を見ていると、麗也が羨ましくなった。

空には相変わらず暗い月。
横には相変わらず麗也が。
そして僕も相変わらず上を見上げていた。
「月が綺麗ですね」
なんて、冗談を言ってみた。
「そうだね。あと、星も綺麗だよ」
どうやら夏目漱石は通用しないらしい。
『死んでもいい』と返されたらそれはそれで困りそうだけれど。
「ほら、月食で暗いからたくさん見える」
指差す方向には数えきれない程の星。
「綺麗…」
思わず呟き、はっとする。
「でしょ?」
隣を見れば、嬉しそうな麗也がいた。

星と星を繋げば、知識として知っていた星座が出来上がる。
星座の知識なんて一生役に立たないだろうと思っていたのに。
少しぐらいは、無駄な事を覚えるのも悪くないかも知れない。
「そういえば」
ふと、麗也が口を開く。
「ねぇ、説」
「何でしょうか?」
横へ顔を向ければ、苦笑していた。
「あんまり夜空見るの楽しくなかったでしょう?」
「まぁ…、正直に言えば」
「やっぱりね」
こんな質問をするなんて、少し意外だ。
嘘をつき『楽しかった』と愛想笑いをしてもいいのだが、付き合いが長い為疑われてしまうだろう。
「あと、疑問に思ったんだけど」
そこで言葉を切り、一呼吸をして。

「どうして誘いを受けてくれたの?」

そう問いかける麗也は、ただ単純に、不思議そうな顔をしていた。
「………」
押し黙って考える。
そう言われればそうだ。
何故僕は興味の無い月食を見ているのだろうか。
「それは」
色々な可能性を考えて、絞り出した答えが一つ。

「麗也だからです」

誘ってくれたのが、麗也だから。
すると麗也は月にも星にも負けない位に綺麗に微笑んで。
「ありがとう」
その言葉に、僕も顔を綻ばせた。
夜空を見れば、暗い月から漏れる僅かな光が僕たちを照らしていた。











後書き
時間かかりすぎた
もう皆既月食から何日も過ぎてるよ
まぁ、一応書き上げられてよかったかな
この小説みたいに少しずつちまちま書いてく事はほとんど無かったから
正直途中で投げ出しちゃうんじゃないかと
でも内容はともあれできました
オリキャラへの愛は偉大です
ここまで読んでくださった方
もしいたら、ありがとうございました!
スポンサーサイト

非公開コメント

  

最新記事

最新コメント

カテゴリ

月別アーカイブ