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久世

Author:久世
元HNは「微雨」「雨月」でした。
「久世」に改名しましたが、どれも私には違いないのでお好きなHNで呼んでください。

・上の絵はまろさんに描いてもらいました!

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くうちゃんと説

Category : メイン創作小説
前からやりたかったネタ。
とにかく彩さんとくうっちに振り回されるせっちゃんが書きたかった。
小説は追記です。
無駄に長いです。


携帯が震える。
手に取り着信相手を確認。

―知崎彩

「………」
今すぐにでも電源を切りたくなったが、なんとか堪えて通話ボタンを押した。

『やぁ』
「こんにちは。…先輩」
携帯越しに聞こえる爽やかな声に対し、僕は嫌な予感を感じて眉をひそめた。
『今、何処にいるかい?』
「自宅です」
『OK。それでは子守りを頼もう』
「はい…?」
電話されるやいなや、不必要な言葉を省いて要求のみを突き付けられた。
しかし、先輩にとっては簡潔に分かりやすい内容だとしても、理由まで省かれては僕は理解ができない。
『理由は後で話すさ。とにかく、アパートの前までこの子を送っていくから、着くのは20分後あたりだろう』
「先輩は面倒を見れないのですか?」
『残念ながら調べなくてはならない事があってね。それに、私より説の方がこの子にとってもいいようだ』
「………」
またしても理由をすっ飛ばされた。
話すのが無駄だと思っているのか、もしくは話すと都合が悪くなるのだろうか。
情報が少ないために、先輩の考えている事がよく分からない。
『なぁに、ただ君の昔の知り合いなだけさ。…いや、ある意味今も縁があると言えるがね』
「つまり、どういう事ですか?」
『会えば分かる』
その嬉々とした言葉を聞いた途端、携帯の向こうでは先輩の口角が釣り上がっているんだろうなと思った。
同時に、携帯を叩き割りたいなとも思った。

「ですが、」
『命令だ』
「…はい」
反論は許されないようだ。
まぁ、電話をかけられた時点で『断る』という選択肢は無かったのだが。
通話を終えた後、携帯を潰さないよう気を付けながらテーブルに置いた。
さて、先輩の説明をしておこう。
知崎彩(ちさきあや)。女性。歳は1・2歳あたり上。
揺るぎ無い冷静さと余裕を持ち、膨大な知識を兼ね備えている。
そして先程の会話の通り、何を考えているのか読み取れない人だ。
僕との関係は「先輩と後輩」。
先輩と関わってからは失うものも多々あったが、それを上回るぐらいに得るものがあった。
しかし、もし過去をやり直すことができるのであれば、絶対に先輩との関わりを避けていたであろう。
個人的には、「悪魔に魂を売ったような関係」の方がしっくりくる。
…こんなところだろうか。
現在14時15分
あと20分後。
「はぁ…」
最近、溜め息が多くなったような気がする。

どんどんどん!
「………」
どんどんどん!
「………」
どんどんどんどんどんどんどん!
「………」
玄関を叩く音。
どんどんどん!
なんだこれ、僕は借金なんかしてないぞ。
どんどんどん!
もしくは新手の宗教勧誘?
どんどんどんどんどんどんどん!
時計を見れば20分は既に過ぎている。
どんどんどん!
というか何故三三七拍子?
どんどんどん!
ドアが壊れたらどうしようか。
大家に謝らないといけないし、最悪修理代が自腹になる可能性があるかもしれない…。
どんどんどんどんどんどんどん!
「あーけーてーっ!!」
「な…!」
小さい女の子の声。おそらく半泣き状態。
その声を聞いた途端、居間のドアから隠れて玄関の様子をを伺っている場合ではなかった。
こんな書き方したら疑われそうだから先に言っておこう。
僕はロリコンじゃありません。
玄関に駆けつける理由は、聞き覚えのある懐かしい声がしたから。
僕の予想が当たっているならば、先輩は相当厄介な人を連れてきたようだ。

「あのね、あやちゃんがね、ショートケーキ買ってきてくれたんだよっ」
白いソファーの上にちょこんと座っている女の子は、無邪気に笑った。
埋もれてしまいそうなくらい小さくて、時々何が楽しいのか跳ねてははしゃいでいる。
「だからせつくんもいっしょに食べよー!」
せつくん?誰だそれは。
…ああ、僕か。
丁度目の前に、テーブルを挟んで反対側のソファーに座っている僕は、内心混乱していた。
淡いピンクの髪は肩で切り揃えてあり、軽く外側へ跳ねている。
目はくりっとして丸く、きらきらと輝く綺麗な赤。
にこにこと子供に良く似合う笑顔は、今でも変わらない。
予想は当たっていた。
だが、あり得ないだろう?
幼馴染みである空雨が、子供になっているなんて。

もぐもぐと美味しそうにショートケーキを食べる空雨を観察。
空雨はケーキに夢中で、僕の視線には気付いてないようだ。
懐かしい。
空雨は昔、ショートケーキが好きだった。
(今は何でも好きらしい)
空雨の家へ遊びに行った時によく一緒に食べたな…、なんて思い出す。
あの時もそう、こんな風にケーキを頬張って口の周りが生クリームでべたべたになっていた。
ごくごくとオレンジジュースを飲み干す空雨。
「おかわり!」
「…はい」
遠慮という言葉をを知らないのも、昔にそっくりだ。

フォークでケーキを切り、口へ運ぶ。
甘さ控えめ。スポンジふわふわ。中のイチゴの酸味が丁度良い。
「美味しいですね」
「うん!」
僕はまだ半分ぐらい残っているが、空雨はケーキを食べ終えたようで、皿の上には大粒のイチゴが残っている。
空雨はイチゴを最後に食べる派だ。
最後のイチゴを突き刺し、大きな口を開けて食べようとした。
その時。

べちゃっ

「あっ!」
イチゴが床に落ちてしまった。
すかさず空雨が拾いあげる。
そしてまた口を開けて食べようとしたとき、僕と目が合った。
「………」
「………」
「…さ、3びょうルール!」
「認めません」
イチゴには少しだけ生クリームが付着している。
床に落としたときにきっとゴミもついてしまったはず。
そんなのを食べて、お腹を壊したらどうするんだ。

「うー…」
唸り、目で訴えてくる空雨。
その目にはうっすらと涙が浮かんでいた。
大したことでも無いのに泣くなんて、これだから子供は困る。
「イチゴ…」
仕方無い、と僕は溜め息をついた。
「はい、あーん」
「?」
僕の言葉に疑問符を浮かべながらも、素直に口を大きく開けた。
その口に僕のイチゴをフォークで食べさせた。
「ふぉいし~」
さっきの落ち込みぶりが嘘のように、ふにゃりと笑って言う。
しかし食べながら話すなんて行儀が悪いな…。
まぁ、楽しいそうだらいいか。

「ぐぅぐぅ、すやすや…」
なんともまぁ、気持ち良さそうに。
空雨はケーキを食べたあと、家の中を遊び回って寝てしまった。
僕のベッドで。
おかげで家中泥棒が入ったあとのようにめちゃくちゃだ。
自室を見回すと、本棚の本が床に落ちているのはもちろんのこと、椅子やノートパソコンまでがひっくり返っていた。
大人げないかもしれないけど、これは恨めしく思ってもいいんじゃなかろうか。
寝相が悪いせいでずれた毛布を肩まで被せ、僕は後片付けを始めた。

だいたい片付いたところで、ズボンのポケットが震えた。
携帯を取り出すと、メールが来ていた。
相手は…先輩から。
以下、先輩のメールから抜粋。

空雨を小さくした犯人は先輩。
先輩が知り合いから過去と現在の空雨を入れ替えられる試作品の薬を貰ったらしい。
そのテストとして、食いついてきた空雨にやってもらった。
僕に預けている間、先輩は結果報告と元に戻す方法を聞いてきたらしい。
元に戻す方法は、日付が変われば自動的に戻る。

………。
なんて、なんて非科学的な。
僕は魔法やオカルトを否定するわけではないが、そう簡単に実際に起こるはずがないと思っていた。
ベッドを見れば、寝ながら布団を蹴散らす幼い空雨。
考えを改めなければいけないな…。

空雨が起きたらどうしようか。
とりあえず、家を荒らさないように注意しないと。
そのあとは…。
ふと、窓が視界に映る。
空を見ると、寒い季節のせいか日は既に落ちて真っ暗だった。
もうこんな時間か。
空雨が起きたら、外食にでも連れていこう。
「食べたいものは?」と聞けば、「ハンバーグ!」なんて即答するのだろう。
それから小さな手を取って、楽しそうに手をぶんぶんする空雨と歩く。
僕が誰かと結婚して、娘ができたらこうなるんだろうか。
そう思うと自然と口が緩む。
たまには、こういうのも悪くない。











後書き
書き終わった!よかった!
今回書いたのは、過去のちっこいくうっちとその面倒を見るはめになったせっちゃんのお話です
ちっこいくうっち可愛いよ
生クリーム口にべたべたにくうっち可愛いよ
きゃっきゃと無邪気に部屋を荒らすくうっち可愛いよ
それを見て溜め息をつくせっちゃんも好き
何だかんだで面倒見がいい人
さて、今回は彩さんも出てきました
彼女は…なんか、不思議なんだよなぁ
でも実力は確かなのでせっちゃんも信頼しているようです
とにかく、こんな無駄に長い小説を読んでくださりありがとうございました
これからも小さいお子様から高齢者の方々まで安心して読める小説を目標に頑張りたいと思います











おまけ
空雨「あれ?せっちゃん、なにその箱?」
説「ショートケーキです」
空雨「ふーん、甘いもの苦手なのに珍しいねー」
説「先輩に教えてもらった店のですが、甘さ控えめで美味しいですよ?」
空雨「マジで?いいなー、食べたいなー」
説「そう言うだろうと思って、空雨の分も買ってきました」
空雨「おおお!神が降臨なさった!さんきゅ!!」
説「はいはい、じゃあ皿とフォーク持ってきますね」
空雨「はーい。なんだか懐かしいなぁ」
説「ええ、昔はよく一緒に食べてましたよね」
空雨「そーそー。んで、私がイチゴ落とすとせっちゃんがくれたんだよねー」
説「…そうでしたっけ?」
空雨「とぼけたって無駄だよ~。結構覚えてるんだから」
説「そんなことでどや顔しないでください」
空雨「そんなことより、私イチゴ大好きなんだよね!」
説「…はぁ、僕のあげますよ」
空雨「おっしゃあ!」
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