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久世

Author:久世
元HNは「微雨」「雨月」でした。
「久世」に改名しましたが、どれも私には違いないのでお好きなHNで呼んでください。

・上の絵はまろさんに描いてもらいました!

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『センセイの鞄』

Category : 紫苑先生
大学図書館の地下1階には、文学の本が排架されている。
完全静粛空間と呼ばれる奥のスペースだ。
図書館のアルバイトまであと40分。
微妙な時間をもて余している私は、目的もなく本棚を眺めていた。
文学といっても、所謂ハードカバーの本だけが地下にあり、文庫は2階にコーナーが設けられている。
そうだというのに、文学の本はよく本棚に収まらなくて、本の上に横にして乗せてある状態をよく見かける。
今日のアルバイトで返本作業か書庫整理のときにここに当たったら億劫だなぁ。
そう思っていると、ふと、ある本に目が止まった。
『センセイの鞄』。
丁度私の目線と同じ高さであった。


文庫版は読んだことがあった。
高校生の頃に、友人に贈られた本だ。
そのときは、そう。
とても素敵な恋愛小説だと感動したものだ。
年齢差という大きな壁がありながら、それでも好きだという気持ちで乗り越える。
淡々とした短編集の中にある、人間の温かさが好きだった。

窓際の机が並ぶ場所まで移動し、時計が一番近い場所に座った。
曇り空を見上げると、目の前に大きな棟がある。
3階には、紫苑先生の研究室。
ここから研究室の窓が見えるのかと思い、それからすぐに、まるでストーカーのようだと自己嫌悪した。
それからバイトが始まるまで、本から目を離さなかった。

バイト後に本を借り、家で寝そべりながら読んだものの、以前のような感動は訪れなかった。
ただただ、私が紫苑先生くらいの年になっても、先生が生きている可能性があることを知り、酷いくらいに安堵した。
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