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プロフィール

雨月

Author:雨月
性別:女
年齢:学生
性格:マイペース
趣味:創作と読書と主観的考察

・上の絵は私の知り合いのまろさんに描いてもらいました!

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君の笑顔で花が咲く

Category : サブ創作小説
僕の好きな人は滅多に笑わない。
笑えないのではなくて、笑いたくないらしい。

「私、普通に生きたかったの」

閉店後の喫茶店。
カウンター席で、ぽつりと彼女が呟いた。
僕は食器を片付けていた手を止める。
物憂げに伏せられた目元が、なんと美しいことか。

「友達が欲しかった。恋人も、家庭も。誰かと幸せを築きたかったのよ」

でも、と形の良い唇が震える。
次の言葉が紡ぎ出される代わりに、一筋の涙が溢れた。
彼女は普通に泣けるのに、普通に笑うことができない。
花が咲いてしまうからだ。

彼女が笑うと、彼女を囲むように色とりどりの花が宙を舞うのだ。
それは、まるで魔法のように。
あるいは、呪いのように。
理屈など分からないのだから、解決法も見つかるわけがない。
彼女は奇怪の目を恐れ、笑わなくなってしまった。

「僕は好きなんだけどな。君の笑顔」

彼女は微動だにしない。
たった一つ、カウンターだけで隔てられているだけなのに、心の距離はうんと遠い。

嘘なんて言ってないのに、なんで伝わらないのだろう。
無機質さを帯びた西洋人形のようなその顔が、純粋な喜びを滲ませて、しかし笑いなれてないのかぎこちなく頬を緩ませる様子に、僕はとてもひかれるのだ。

静かに、何も言わず俯く彼女。
僕は何度もこのような彼女を見てきた。
周りからの声に聞く耳を持たず、心の中でずっと自分を責め続けているのだ。
何を言っても無駄なことは分かっている。

紅茶の茶葉と牛乳を小さな鍋に入れ、火にかけた。
僕が何度も彼女にしていることだ。

「はい、どうぞ」

鍋からティーカップにこしたロイヤルミルクティー。
カウンターに差し出すと、彼女が顔を上げた。

「おいしい」

そう言ってふわりと花を咲かせる彼女は、やっぱり綺麗だった。
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