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雨月

Author:雨月
性別:女
年齢:学生
性格:マイペース
趣味:創作と読書と主観的考察

・上の絵は私の知り合いのまろさんに描いてもらいました!

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誓い

Category : サブ創作小説
「私はね、貴方の言葉が信用できないのよ」

 僕が愛を伝えれば、いつも彼女はそう答えるんだ。その横顔は、いまにも雨が降りそうな曇り空に似ている。

 誰もが寝静まっている時間。僕たちのはるか頭上には、白い三日月が慎ましく輝いている。僕たちの足元にも、夜空の色をいっぱいに吸い込んだ三日月がある。名前は、三日月湖。三日月の形をしている大きな湖だ。
 僕と彼女は、湖の畔に立っている。星のように瞬く、蛍に囲まれながら。

「君がそう言うなら、信じてもらえるまで何度でも言うよ。君が好きだから」

 出来るだけ僕の言葉を信じて貰えるように、声を潜めて、慎重に言う。それでも、彼女には伝わらない。彼女は首を横に振った。

「気持ちは嬉しいわ。それに、私は貴方のことを信じたい。貴方が好きだから」

 僕たちの周りをふわふわと漂う小さな光に視線を向けながら、でも、と彼女は俯く。
 黄色い光が、ぽつぽつと淡い青色に変化する。彼女の感情を表したように輝くそれらは、どうやら蛍じゃなかったようだ。

「貴方が羨ましいわ。貴方は、人が何を考えているのか分かるのでしょう?」

「そうだね……。でも、僕には君が何を考えているのか分からないよ」

 読心術のことを指されて、僕は頷いた。確かに、僕には心が読めるという特殊な力がある。ただし、どんなにそれが優れていても制限はある。彼女が思っているほど、この能力は万能な訳ではないのだ。
 僕はイルミネーションのように青い、不思議なものを一瞥する。この町には、現実離れした不思議な物事がたくさんある。僕の能力も、その一つだ。
 しかし、彼女は違う不思議を持っている。例えるならば、ガラスケースの中の綺麗な人形だ。彼女は普通の人間に過ぎないが、この世と一本線を引いて物事を捉えている。

「僕のことが信じられないなら、誓いを立てよう。一生君だけを愛し続けるよ」

「駄目よ。駄目なの……一生なんて短すぎるわ。貴方の愛は、百年も続かないのかしら?」

「じゃあ、百年。いや……千年だ。千年間、君だけを想い、生き続ける。これを守ることができたら信じられる?」

「ええ。そんなことができるのなら」

「出来るよ。僕にはとっておきの手段があるからね」

 自信たっぷりに言うと、彼女は顔をあげる。その少しだけ期待を秘めた目を、オレンジ色の光たちが照らした。

「本当に? 私が死んだとしても?」

「うん。君が生まれ変わるまで、僕はこの世で待っている。千年間ずっとね」

 光が変化する。橙色から桃色へ。
 彼女は少しだけ強張った顔をして、口をきゅっと結ぶ。それから、頬を赤らめて、押さえきれない嬉しさを溢した。僅に唇を緩ませていることは、彼女本人も自覚しているのだろう。誤魔化すように顔を背けた。

「もし……。もし、私が生まれ変わったら、また愛してくれるかしら?」

「もちろん。君がどんな容姿や性格であれ、僕は愛そう」

「私のことは分かるの?」

「分かるよ。だって僕は君の心が読めない。君だけが好きだからね」

「そう……」

 煌々と輝く不思議なものたちは、月に負けないくらいの光を放つ。その色は、彼女の顔にそっくりだ。それに釣られて、僕も頬が熱くなる。

「嬉しいわ、巡さん」

 彼女は微笑む。儚げに、美しく。
 僕はその笑顔に、千年の愛を誓ったんだ。



随分と前に書いていたものがあったので投稿
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