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久世

Author:久世
元HNは「微雨」「雨月」でした。
「久世」に改名しましたが、どれも私には違いないのでお好きなHNで呼んでください。

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私の目に映る彼女は7

Category : サブ創作小説
「以前君は飲酒をしたいと言っていた。私と共に。それは単なる酒に対しての好奇心や世間の正義を否定し自己主張をしたいという訳ではない。私と同じものを共有したいんだ。この推測に相違は?」
「えっ……。ありません」
「そう」
 アパートの一室。インターホンを鳴らしたらこれだ。玄関を開けた彼女の第一声が、推理の答え合わせ。しかもそれが正しいと分かったら、踵を返して室内に戻っていってしまう。
 彼女は気紛れだ。
 近くにいることで分かったが、周りに誰がいようが構わず自分の興味が引かれるものに没頭する。それはもう、猫のようになんて可愛いものじゃない。
 彼女の部屋に上がり込み、ソファに座る。そして勝手にテレビをつけて寛ぐ。いつものことだから彼女は特に気にする様子もない。
 チャンネルを巡回し、面白そうな番組はなかったため電源を切る。それからぐるりと室内を見回した。彼女は一体何処に行ったのだろう。名前を呼ぶと、台所から声が聞こえた。私はソファから立ち上がった。
 台所を覗き込む。彼女は食器棚からワイングラスを2つ取りだし、私に押し付けた。これを食卓まで運べという意味らしい。意味も分からず机に持っていくと、彼女が大きな瓶を運んで来た。
 深い赤色のような、濃い紫色のような色の液体に、一口大に切られたフルーツがたくさん漬け込まれている。
「それは何ですか?」
「サングリアだよ」
「シャンデリア?」
 私は頭の中に豪華な照明を思い浮かべる。しかしシャンデリアとお酒が結び付かなくて、首を捻った。
 彼女を見ると、そんなことも分からないのかと呆れた表情をしている。大人は分からないけど学生で分かる人は多くないと思う。
「サングリア。……フルーツを赤ワインに浸けたものだ。味がよく馴染んでいるから、安物の酒でも十分美味しい。清涼感があるため夏場によく冷やして飲む方法を薦めよう。発祥地のスペインでは比較的日常で飲まれている」
 彼女はつらつらと説明を述べながらグラスに注いだ。そしてそのひとつを、私の目の前に差し出す。
「飲みたければ飲めば良い」
 私は内心戸惑った。以前私が飲酒したいと言ったら、彼女は良い顔をしなかったからだ。何故否定していたのにお酒を薦めるのだろう。
 もしかしたら、と私は思う。
 彼女は二十歳になってからなら一緒に飲酒をしても良いと言った。しかし、私はそれまで待てる自信が無かったのだ。私が二十歳になるまで、生に関心が薄い彼女が生きているのだろうかと。
 私はある可能性を考える。彼女もその事を薄々感付いているのかもしれない。その時に私の願いを叶えることは不可能だと。それならば今叶えようと。
 私はグラスを手に取り、暫く眺めてから机に置いた。
「ごめんなさい……、今は飲めません。二十歳になってから、また作って欲しいです」
「それは残念だね」
 彼女は自分のグラスを傾けて一気にあおる。サングリアは血のように赤い唇に吸い込まれ、こくりこくりと上下する喉へと流れる。透明なグラスを離した彼女が大きく息を吐いたと同時に、私は彼女から視線を逸らした。
「お酒の一気飲みは危ないですよ。保健の授業で習いました」
「ああ、そうだね。だがこれはノンアルコールだ。赤ワインの代わりにグレープジュースを使用している」
「え?」
「うん……? 言ってなかっただろうか?」
 私は一口飲む。口いっぱいに広がるフルーツの酸味と香り。そしてほんのりと甘い。しかしどこにも、お酒らしいふわふわとした変な感覚はなかった。
「私が未成年に酒を薦める訳がないだろう。酒なんて、思考と体の動きが鈍くなるだけで大した利益も無い」
「性格が変わったりはしないのですか? 笑い上戸とか泣き上戸とか、よく言うじゃないですか」
「ないね」
 彼女が自分のグラスに注ぎ足す。私は彼女のその様子を見てから、自分のグラスを飲み干した。
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