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久世

Author:久世
元HNは「微雨」「雨月」でした。
「久世」に改名しましたが、どれも私には違いないのでお好きなHNで呼んでください。

・上の絵はまろさんに描いてもらいました!

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私の目に映る彼女は4

Category : サブ創作小説
 彼女は一日中家に籠っていることが多いが、時々外に出て散歩をするようだ。
「季節が移り行く様は綺麗なんだよ」
 学校帰りに散歩中の彼女と会ったとき、そのような言葉を聞いた。
 春は確か、桜が咲く穴場を教えてもらった。秋には紅葉が鮮やかだと誘われて、町外れの神社まで歩いていった。夏と冬は気温が好まないのか、外に出たとしても精々彼女のアパートからコンビニまでの往復くらいだった。
 ある日、彼女の散歩に付き添っていると、電信柱の下に子猫が捨てられていた。段ボールの中の猫は薄汚れているが、白い毛並みをしている。細く痩せほそって鳴き声が弱々しい。
 放っておけず、私は立ち止まって段ボールの前で屈んだ。優しく頭を撫でると目を細める。この猫を救いたいと思ったが、それが出来ないことを知っていた。私の家でペットを飼うことは母親によって禁じられているからだ。
 助けを求めるように、背後に立っている彼女を見る。
「生憎、動物は苦手なんだ」
 同情する様子も、残念がる様子も見せずにそう告げた。そして彼女は踵を返して、何事もなかったかのように歩き出す。私は子猫と彼女を交互に見て暫く迷ったあと、慌てて彼女の背中を追いかけた。
 それから数日後、猫に餌を届けるのが日課になっていた私は、電信柱のもとへ向かった。しかし、段ボールを覗き込んでもあの子猫はいなかった。誰かに拾われたのだろうか。そうだといいなと思いつつ、僅かばかりの寂しさを背負ってその場を去った。
 猫に餌を与えて触れ合ったあとは、彼女のアパートへ向かうのも日課だった。いつもの時間より少し早く公園の前を通る。やけに騒がしいが、特に興味をひかれるものではなかった。
 目の前に摘んだであろう花を握って公園へと走る子供を見つけた。その少女には見覚えがある。図書館の児童図書コーナーによくいる子だ。何をしているのか話し掛けると、猫の墓に花を添えようとしているところだという。私ははっとして公園内の子供たちが群がっている場所を見た。
 盛り上がった地面に"猫の墓"と達筆で書かれた板が無造作に突き刺さっている。周りには子供たちが手向けた花でカラフルだ。
 もしかしたらあの子猫かもしれない。私はそう思った。あの猫は毎日世話をしても一向に回復する様子はなく、衰退していくばかりだったからだ。認めたくはないが、そういう可能性もあるのだろう。私は子供たちと同様に花を添えたあと、アパートへと向かった。
 彼女は習字に勤しんでいた。なぜ急にこんなことをしているのだろう。
「知り合いに習字の道具を借りてね。たまには良いだろう」
 ベランダにはスコップが乱雑に置いてあった。以前は見掛けたことがないため、真新しいものであろう。なぜスコップなど買ったのだろうか。
「家庭菜園を始めようと考えている。今度の休日には他の道具を買い揃える予定だよ」
 正直に言ったらどうですか?と言っても、なんのことだかとしらを切る。変なところで素直でないなと思いつつ、その後の休日に彼女の買い物に付き合ったのはよく覚えている。

この過去を振り返る形式の小説難しい
「私」の一人称現在進行形小説に変えようかな…
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